鎌倉野菜を、天ぷらで。
/ 文:店主 戸澤
うちの看板には「天ぷらと鎌倉野菜」と書いてあります。天ぷら屋なら「天ぷら」だけで足りるはずですが、あえて野菜の名前を並べました。それだけ、野菜を軸に据えた店にしたかったからです。
今日の野菜は、今日の朝に決まる
鎌倉市農協連即売所で、その日に並ぶ野菜を見て仕入れています。ですので「明日は何が出ますか」と聞かれても、正直なところ前日にはお答えできません。そのときいちばん良いものを、そのまま出しています。
いまお出ししている野菜の天ぷらは、たまねぎ、れんこん、アスパラ、オクラ、なす、さつまいも、しいたけ、かぼちゃ、ししとう、春菊。仕入れによって顔ぶれは変わります。
揚げるだけが野菜の食べ方ではありません。浅漬け、お浸し、サラダ、バーニャカウダ仕立て、グリル。素材そのものの味を知っていただきたくて、一品料理も少しずつ増やしてきました。
鎌倉市農協連即売所で、その日の野菜を選ぶ
鎌倉駅東口から歩いて3分ほど。地元では「レンバイ」の愛称で呼ばれている直売所です。鎌倉市内の農家が数班に分かれて交代で出店していて、朝8時頃には野菜が並び始めます。それぞれの農家が、自分の畑で採れたものを自分の名前で売っているので、同じ品種でも農家によって顔つきが違います。
野菜の大きさや水分量、香りは、季節や仕入れによって少しずつ違います。天ぷらにしたときの食感を思い浮かべながら、その日いちばん良い状態のものを選びます。
素材ごとに、揚げ方を変えています
同じ衣、同じ温度で揚げているわけではありません。素材が変われば、水分も、火の通り方も、目指す食感も変わるからです。
- たまねぎは、揚げると甘みが際立ちます
- れんこんは、さくりとした部分とほくりとした部分が、ひとつの中に同居しています
- なすは、とろりとした果肉に出汁がしみるように
- 春菊は、香りを立たせたいので薄い衣でさっと
- オクラは、粘りと種のぷちぷちを衣で閉じ込めて
何を選ぶか迷われたときは、板前おまかせの盛り合わせをどうぞ。その日いちばん良いものを、六品お出しします。
神奈川の野菜に、神奈川の地酒を
野菜が神奈川なら、お酒も神奈川で揃えたい。そう考えて、地元の蔵の酒を置いています。
丹沢山(川西屋酒造店・山北町)は、米の旨みが広がりつつ後味はすっとキレる辛口。天ぷらの油を流してくれる、食中酒の王道です。残草蓬莱(大矢孝酒造・愛川町)は洋梨を思わせる上品な香り。箱根山(井上酒造・大井町)は創業二百余年、酒匂川の硬水で仕込んだ、ふくよかな味わいです。
淡白な白身魚の天ぷらには丹沢山のキレを、穴子の一本揚げには箱根山のふくよかさを。料理と一杯の組み合わせも、こちらからご提案しています。
読売ランド前の、小さな店から
小田急線・読売ランド前駅から徒歩1分。全19席の小さな店です。白木のカウンターが3席ありますので、おひとりでも気兼ねなくお過ごしいただけます。
揚げたてをすぐにお出しできる距離で、旬のものを召し上がっていただく。それがこの店の形です。
ネットでのご予約は24時間承っております。4名様までは、空席を確認してその場でご予約が完了します。
ランチ 11:30-15:00(L.O. 14:30)/ ディナー 17:00-23:00(L.O. 22:30)/ 月曜・火曜定休